警告



愛用のヘッドホンで音楽をきいていると耳慣れない音がいりまじっているのに気がついた。
不思議に思い接続部分をいじってみるもなおらない。
ディスクに傷でもついたのだろうかと悲しい気分になっているとノイズは徐々に大きくなりはっきりとききとれるまでになった。

「・・・・え・・・・は・・・・」
「?」
「お前は・・・・」

どうやらぼくに何かを伝えようとしているらしい。
ところでこの声はいったい誰のものなのだろう。

「お前は・・・・お前は・・・・」
声は苦しそうにぜいぜいとあえぎ最後の力をふりしぼるようにして言った。

「お前は猫に呪われる・・・・」
「は?」
「お前は猫に呪われる・・・・気をつけるんだ・・・・さもなくば、さもなく、ウッ」

わざとらしいうめき声と共に何かが倒れる音がして静かになった。
さもなくばなんなのだろう。
ぼくはヘッドホンのコードをぬいた。
ブツリ。

少々気味がわるかった。
お守りはどこにしまったのかと探し物をはじめるつもりだったが棚に手をのばしたところで異変に気がついた。
体中の皮膚が白黒のぶちになっているのだった。

ぼくに何の恨みがあるんだチャコールめ!

でもこれでは猫ではなく牛のようだとぼくは思うのだった。




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