なんでもおじさん



気分が悪かった。
すこしだけ早い五月病だと思う。
ぼくは四六時中ふとんにもぐりこみありあまる時間をやりくりしていた。
今日もいつもどおりそうしようとしているところで突然窓があいた。
ガラッ。

「あーっはっはっはっはっは」
知らないおじさんが高笑いをしながら侵入してきた。
家庭侵入だと思いながらぼくはげんなりしてしまってこの江頭二時五十分のようなおじさんをどうしようかと考えをめぐらせたがなにもうかんでこなかった。

「そこのきみ何かお悩みかい!」
おじさんは大声でそれも特大な大声でぼくにたずねてくれる。
近所迷惑だと思いながらぼくはげんなりしてしまってこの江頭二時五十分のようなおじさんを本当にどうしようかと考えをめぐらせたがなにもうかんでこなかった。

「特になにも悩んでいません」
ぼくは考えをめぐらせたあげくそう言った。
おじさんはちっちっちと舌打ちしながら人差し指を左右にゆらした。
そんなはずはないという意味合いらしかった。
それにぼくは心底げんなりしてしまってこの・・・・
。脳みそが堂々巡りをはじめている。
これはよくない兆候だと思いぼくは体をおこしおじさんを窓の外へ蹴り落とした。

あーああああああああああああああぁぁぁぁ――――・・・
がいんごいんげしゅ。

確かすぎるほど贅肉の手ごたえがして怪しげな擬音をあげながらおじさんは軽やかに落ちていった。
ぼくはなんだかすっきりして窓をしめた。




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