明月



好きなだけ食べて
汗だくでもどした


大きな満月が
ぷらぷら歩くぼくを
包み込む


泣かなくていいんだよ
泣かなくていいんだよ・・・
そうだろうね。お月さま


消えかけた音を追いかける
腐った右手からにじみでる血の色で
人生をかいてみよう
みんなが笑った


こんなに必死なのに
なぜ 好きなだけ 嫌われているんだろう
こんなに自由なのに
なぜ 好きなだけ 憎めないんだろう


ひとりじゃないんだよ
ひとりじゃないんだよ・・・
それは痛いほど 知っているんだ お月さま
ただ一度でいいから ぼくのために言って
嫌ってもいいよって
こわがってもいいよって


満月はやつれ始めた。
ぼくを包み込んだまま
なぜ あなたは、いつも
弱さを殺すナイフを研ぐのですか



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