ノック



ノックの音がきこえても
叩かれているのは 別のドアなんだ


ぼくは部屋に閉じこもって
一人で音楽をきいているけど
動く必要なんて どこにもないんだよ


ノックの音がきこえても
開かれるのは 別のドアなんだ


やさしいきみはこのぼくを
見捨てないでいてくれるけど
ぼくはきみに何かを 望むことなんてできないんだ


もうちょっと気楽になれば とか
考えすぎだ とみんなは言うけれど
伝えたいことは そうじゃなく
ノックされてるのは 別のドアってことなんだ


今きみが叩いているのはぼくのドアじゃない
今きみが叩いているのはぼくのドアじゃない
部屋から出てきた別の顔を見て 気がついたとき
ぼくはもうとっくに 深く眠っていることだろう



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