デイジー



どうせどれも本物じゃないんだよって
つぶやいたあの娘をなぐさめることは
ぼくじゃできないだろうな
ああなんでもっと早く夕日が昇らなかったのかな
覆面被った殺人鬼がぼくの目玉を突き刺したよ
ついにあの娘はぼくに
やっと傷ついてくれたのねと
キスしてくれるかな


だって今なんて過ぎてしまえば嘘になっちゃうもんね
そういったあの娘にデイジーを贈ろうかな
青い目から涙を流さないでねなんて
言ったって 偽者なんだろ? ぼくも。


あの娘は
ぼくが贈ったデイジーを
軽やかに踏みつけるかな
エナメルの 赤い トゥシューズで



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