ない



ない


なにがない?


ない
ない
ない


いくらさがしてもない
うまらない穴をかかえこんだら
そっからいままでの記憶がビー玉みたいにい・ろ・あ・ざ・や・か・に・おっこちていっちまった


ない


なにがないの?


わかんない


腕がない
だから手もない
足がない
だからあるけない
どんどんうしなうけどそっからもんわりしたきもちいいものがのぼってきてどんどん麻痺してく麻痺
まひ
頭のしんからさみしくなって
頭のしんからかなしくなって
けどそっからもんわりしたきもちいいものがのぼってきて
ぼくじゃない、ない、ない


いくらさがしてもない
きみとさがしあうなにか
いくらさがしてもみつからない
きみとさがしあう、さぐりあう、どこにあるか、どこにあるのか


うまらない穴をひろったら
きみの目からなみだひとつぶ
うまらない穴をひろったら
まざってとけあう・体中鳥肌だらけ
あまいあまいあまいあまい・おもいだせないほどに・あまい・あまい・もっとあまいかなしみ・かなしみ・うばうかなしみ
なにもかもうばうかなしみ・それは経験してくかなしみとはちがう・ただの餓鬼、それこそが餓鬼


ない


なにがないの?


すべてをうしないそうだ
なくなっちまうんだ
こおっちまうんだ
凍っちまうんだ



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