no war



誰かと撃ち合ってる
誰かは 愛しい女の子かもしれないし
親しい友人かもしれない
もしかしたら 命の恩人かもしれない


君が考えてるのはただ
相手を殺すこと それだけ


誰かと罵り合ってる
誰かは 年老いた両親かもしれないし
ふざけ合った幼馴染かもしれない
もしかしたら かわいいペットかもしれない


君が考えてるのはただ
相手を負かすこと それだけ


何か失ったんじゃないか
それに気づくことができれば
ぼくらはもっと優しくなれる
好きな人を守れるかもしれない
大きな声で笑い合えるかもしれない
でも 君の手はいつまでも 銃を握り締める
君の顔はいつまでも しかめっ面のまま


見えない相手と撃ち合って
見えない相手と罵り合って
君はもしかたら 泣きたくなったかもしれない
とても大きな声で
記憶の中の かつての
胸が温かくなるような世界を思い出して


今すぐ 立ち上がって
両腕を広げて
銃弾に撃たれてみな


君はきっと
死にやしない
君の声はその時に
誰かに届くだろう
君の心臓はその時に
優しく脈打ち始めるだろう



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