気狂いさんうたえ



みんな生まれたときから死んでる
心臓はよわりだして息ができなくなる
色彩は目にとびこんだっきりとだえて
魚になった


しゃべる九官鳥
その首をはねるぼく
しゃべる十七歳
その首をはねるぼく
(ぼくが誰かを大切になんてできるんかな)
(は、くだらない、くだらない・・・・)


箱にこもっていれば安心なんでしょう
じゃあ一歩もでなけりゃいいじゃない
わたしがいなければ安心なんでしょう
(じゃあ殺してくれればいいじゃない)


かきとりノートは
ダマレとシネに埋め尽くされました
ぺらぺら紙をめくる音にうもれて
くちびるひんまげて笑うぼくがいました
白い体育館にたたずんで
白いくじらがよこぎるのをみながら
先走る脳みそをふみつぶし
狂うようになっていつまでも叫ぶぼくがいました


ギャアアアアアアアアアアアアアアア
(みんなシネみんなシネみんなシネ)
ただつくろうとしてる映画のラストは
ぼくが消えて終わるんです



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