パズル



裂けた明星 きっと鈴を孕んで
ぼくがささやくたびにちりちり揺れてくれる


きみが建てたビル とっくにすすけて
誰かがふざけて飛び降りた 気軽な真昼に


少しずつ違ってく
少しずつ踏み外して
少しずつ進んでく


おもしろいんだよな
おもしろくて笑っているんだよな
ぼくは
きみも
喉の奥につっかかったカプセル
吐けないかぎり
噛み下すこともできない
声も出ない


抱えた水がめ 安心を暗示する
ぼくときみが向かい合って立つシーソー


もう違ってる
もう踏み外した
もう辿りついてる
目的地なんてなかったのに
接着剤で貼り付けられた創作物の上に
凝り固まったぼくらが 組み立てるふりをして
君臨してんだろ



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