ご飯ごめんね



赤い爪が這ってくる
夜空色の獏が冷蔵庫の前で
ぼくがエサをやらないから
悲しげに佇んだまま立ち去らない
蛇口から黴がぽつぽつ
シャンプー台ではいい匂いの
ボーイが微笑んでる
だってあのシャンプー痛いんだもの
どんなに買い換えても
いつの間にか
色んな薬品が調合されてるんだよ
窓辺はいつでも桜並木なんだけど
季節は冬
天井はいつでも夜なんだけど
時刻は0時
螺旋階段数えてのぼることの好きな
多分過去のぼくが
ずっと何か叫びながら
うるさい


髪を切ること
ごみ箱は髪の毛でいっぱい
もう外に出たくない
机のすみっこに丸まって
泣きながらご飯をたべるけど
うえってなるまでつめこむけど
一番かわいそうなのは
つめこまれたご飯



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