時限爆弾



だあれもいないのよ
ヴィルディングの影にひそんだ蜃気楼は
ドレスのすそをひるがえして青い摩天楼に消えた
まるで砂漠のようだ
腹時計しか頼りにならない
誰かに嫌われることをおびえつづけたら
桃色の部屋にうずくまってた


きみは一人か
ぼくはどこかに
きみはどうしてる?
ぼくはどこかに
もう頭ぶっこわれそうだよと
きみは倒れてうごかなくなる
うごかなくなる
うごかなくなる
愛がつまった時限爆弾


だあれもいないのよ
ヴィルディングの屋上のメリーゴウランド
白昼夢がゆうるゆうるシチューみたいな土に消えた


きみが一人だ
いますぐいかなくちゃ
きみが一人だ
いますぐ行かなくちゃ
もう頭ぶっこわれそうだよと
きみは倒れてぼくはぼくがどうでもよくなった
うごかなくなる
うごかなくなる
夢がつまった時限爆弾


ああ、大変
思い出が破裂するわ



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