冬のうみ



冬のうみ
ふみしめる
息みたいに白いすな


しんしん
おしよせる
波とつきの光


みんな眠っているのだろうか
灯台をのりこえた
光り輝く街のほうでは


耳がついたフードを
かぶっているのは
海のささやきがきこえるように
雪の予感がきこえるように


ただ
たたずむだけで
わたしのこころはひたひたになる
水と静けさと甘ったるい金色で
くうはくがみたされるから
全身にうけたもの
味わって食べてる
わたしここがすき


ねじを巻くみたいに
夜は明けてゆく
かもめのなだらかな曲線が
見えてくるころ
野ばらの茂る小道をとおり
おうちにかえろう



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