乾いている



からっからに乾いた世界
なぜ乾いているんだろう
考える
わたしが乾いているのかしら
誰かが乾かしたのかしら
最初から乾いていたのかしら
潤いがほしいのかしら
潤いを知っているのかしら
潤いは存在するのかしら


でもそんなことも知らずに
わたしたちは水をまいて
土をほりおこして
種を植えて
めちゃくちゃにして
鐘を鳴らして踊って
風を吹かせて
壊して治して愛でて
通り過ぎてゆく
そしてそれでいいのだ
端から事実や
正しさなんてないのだ
からっからに乾いた世界は
いつのまにか潤って
そしてまた乾くのだ



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