バスが来る



矛盾を善しとした
猿の手に従い
殺されるまで待つことにした
宵闇のバス停は雪雲に暗ァく濁り、
最悪なことに朝までは遥か。
逃亡をはかる学生の首を絞めた
「今頃死んでいるか知ら」
そう呟く貴女が蝋燭の炎を恐れるとは
嗤いが込み上げます。
鬱屈の掃き溜めの昭和ジャズが鳴れば・・・・・
黒猫怒り狂い数多の眼球が
血を滴らせ
此処に根を張る


金切り声を上げた
蟷螂の首は
誰が、飾る、ことだろうね・・・・・


此の儘地の果てに
ラフレシアを見に行けたら
どんなに、幸せな、ことだろうね・・・・・・


死神が共に体を這いずる
丸で銀河全体の闇を引っ掻き集めたような
巨体のバスが来る



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