そらが
まっかになるくらい
ゆびをからめて
まぶたをちぎりとって
うわのそらの瞳は宙に浮く
ぼくは げんそうに いるのかもしない


愛を食む
愛を食む
醜くくちびるを汚し
ことばのふしぶしをむさぼっている


これでいいのか
どんなふうにみられているか
ふつうじゃないのは
いまより ちょっと前から
コドクなコドクな夜を
かけぬけた足はもう


息継ぎをして
息継ぎをして
死を待った


うでをのばしてすがっている
もっといっておくれよ
ぼくがいる証明を


愛を食む
愛を食む
泣きながらのみこんでゆくさ
ひりひりがおさまらない
愛を食む
愛を食んで
ぼくは成長してゆく
かうべを垂れて


すきとおる足が目の前をゆきすぎる
むずかしいことなど 考えたくはない
感覚だけのせかいに
よりそってたたずんだ
ゆきがふって いちごあじのゆびさきを
湿らせたまま
にげだそう


縮んでゆく胃に
ささやきを落としてくれ
とわに



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