ぼくの耳の穴から蚊が侵入してきて脳みその血を吸い尽くそうとしている


うるさい! 誰だ
ぼくに、おせじとわかるほどばかばかしいおせじを言うのは
うるさい! うるさい! それが気づかいだなんて
もっともらしい顔してうなずきやがって
うるさい! 誰だ
ぼくに、いらない世話をやこうとしているのは
うるさい! うるさい! 其れだ、否だ、いつまでも
そんなこと騒ぎ立てようとするのなら


電車にひかれて死んぢまえ


待っても待っても蚊が出てこない
目の前がヘドロ色に濁りだしたころ
「ハト時計が時報を鳴らそうとしだしてぼくはそれを破壊せざるをえない」
かゆい。脳みそがかゆい。なんも考えらんない・・・頭が腐る
ああ いますぐここから出なくちゃ いますぐここから出なくちゃ ここから出なくちゃ


カユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイカユイ


うるさい! 誰だ! ぼくのすべてに文句たれよーとするやつは
うるさい! 誰だ! ぼくのうしろをつけまわそうとするやつは
うるさい! 誰だ! 自分ばっかしゃべりやがるジコチューシンは
うるさい! 誰だ! おまえら誰なんだ! 誰なんだ!


「殺虫剤が見当たらないのでぼくはぼくの頭を潰さざるをえない」
そして血濡れのあいまから、満腹の蚊は抜け出でる



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