彼の鳥に乗って



ああ! 彼の鳥 虹色の彼の鳥
つかまえてつかまえてぼくのレディ
安物の紅茶を蒸らしたあと
ごきげんな午後は手をすり抜けて駆けてゆく
駆けてゆく
彼の鳥が飛ぶ 彼方へ 彼方へ


乱れない足取りでいつまでも酒をあおって
らんちき騒ぎ 終わったら眠るだけ


つかまえてつかまえてぼくのレディ
明日も明後日もおおきな手のひらの中
ああ! 彼の鳥 虹色の彼の鳥
昨日を捨てて背に乗るんだ


乱れない足取りで急くトランペットの旋律を
くちびるで充分になぞったら
彼の鳥の背中で夢の続きを見るだけ
「good night」
もう聴こえないか



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