忘れちまったこのぼくに



ああ やさしい気持ち
わかってるふりしちゃだめだ
きっとぼくは見栄をはってた


きみたちの痛みに
かるい気持ちでうなずいたりして
ごめん


ぼくの底は浅いから
ふりしきる雨だってすぐ溢れちゃって
大事なこともすぐに忘れる
そんなときは教えてくれ
ちがっているよと叫んでくれ
きみの気持ちを教えてくれ
忘れちまったこのぼくに


いつかきみたちが ぼくの腕に倒れこんだら
そこで雨が降ってたら
道が見えなくなっちゃって 立ちどまるしかなかったら


できる限りのことはするよ
壊れかけのぼくのランタン
うまくともるかなあ


ぼくの瞳は悪いから
色んな人が見えなくて
大事なことも見落とすよ
そんなときは教えてくれ
ここにいるよと叫んでくれ
きみの声で呼んでくれ
ぼくの名前を呼んでくれ



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